2023-05-24

f:id:kzombie:20230524201156j:imagef:id:kzombie:20230524201147j:imagef:id:kzombie:20230524175737j:image今日は晴れ。

昨日よりやる気があったので家を掃除した。

5限にスキンヘッドの授業があるので、書店で仕

方なーく教科書を買った。3400円した。

どうしてこの値段の教科書が必要なのか。

無価値な授業に払うには多すぎると思う。

4限は1週間楽しみにしていた民俗学の授業。

今日は海の神の回。

先生は日本には海の神が三体いると言う。

一体は龍神。浦島太郎にも出てくる竜宮の主。

一体は船霊。漁師や船乗りの間で広く信仰されて

いる神。そしてもう一体は、あのえびす様だ。

そんなえびす様にまつわる面白い風習を聞いた。

大阪の今宮戎神社はえびす様が祀られている。

そこでは参拝し終えた人が拝殿を思い切り叩く。

これは崇めるというよりは、耳が聞こえなかった

りするえびす様へ親しみも込めた叱咤激励のニュ

アンスらしい。

だから前回の田の神よりも扱いが雑で、広島の漁

船ではえびす様にお神酒をぶっかけるという儀礼

があるらしく、WBC優勝したときの侍ジャパン

シャンパンファイトみたいな映像が面白かった。

日本にはいろんな神様がいて面白い。

僕が資料映像で一番感動したのはケベス祭り。

大分県で行われている"奇祭"のひとつ。

そもそもケベスがいったい何者なのかすら分か

らないらしい。ただ長年の伝統に従うのみ。

いつどこで見つかったのか分からない"ケベス

面"を被った選ばれし者は火に飛び込みたくなって

しまう。

ケベスは4人の候補の中から神官がくじで選ぶ。

火に飛び込もうとするケベスをトウバという謎の

役職が阻止する。

真夜中にめらめら燃える炎を前にして棒と棒を合

わせて争う攻防を美しいと思った。

9回目でようやくケベスが火に飛び込む。

まるで棒高跳びの選手のように勇ましい助走。

50過ぎの兵庫のサラリーマンが、故郷の火に向か

って全力で突っ込んでいく様子に訳の分からない

感動を覚えて身震いした。

するとトウバや神官たちも燃え盛る木の枝をもっ

て観衆に向かって突進する。

女性の絶叫。男性の歓声。奇妙な空間。

こんなにすごいものが日本には残ってるんだと、

ただただ感動してしまった。

5限は1週間前に怒られたスキンヘッドの英語。

ケベス祭りの研究で忙しくて買った教科書は1ペ

ージも開いてない。

あの教室にいると周りの人が真面目に見える。

あいつらは僕みたいに楽してない。

僕みたいに決められたレールを逸れない。

きっと就職し、そこでもまた頑張る人達だ。

僕は炎から逃げている。

逃げた先に炎は燃えているだろうか。