面白い本を読んだ

7時40分に3度目のアラームで起床。

彼女とハンズフリーでつながっていたから、彼女にもアラームが聞こえて起こしてしまったらしい。申し訳ない。今日は天気がとても良かった。

仕事に関しては、先週上司に怒られた件が結局上司の勘違いだったことが発覚した。腹立つけど、ここは心の底でガッツポーズしておこう。

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ずっと返却していなかった千代田図書館の本を今更読破した。カレルチャペックの『白い病』

戯曲だったので非常に読みやすかった。

50歳以上の人間だけに感染し、感染すると白い斑点ができ、死んでしまう疫病が蔓延した世界のお話。未知のウイルスに対して為す術がない中で、貧しい街のびょういんでたった一人の医者が治療法を発見するんだけど、そいつががんこで、「治療法は武力の放棄を約束しなければ教えない」という条件を国家に対して要求する。面白かったのは、がんこなガレーン先生の言い分に、「お金持ちは影響力があるから責任が重い」というものがあったこと。たしかに自分自身がもしお金持ちになったとき、果たして平和のために使えるだろうかとも思う。コロナ真っ只中に岩波文庫から初版されたディストピアSFの傑作。とても面白かったし本質を捉えていて深かった。

 

前まで正面を向いていたマーモットがいつの間にかチューをしていた。かわいい。

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はじめての日曜

彼女と起きた。

昨日激混みの新宿のセブンイレブンで、レジ前で財布を落として小銭を全部ぶちまけたときに買ったギャツビーのワックスが、とても馴染みがよくてテンションが上がった。

彼女も褒めてくれた。

いつものようにだらだら支度して昼3時頃になって、電車でインスタのリールを見たり、今度は森下で降りて清澄白河ぶらぶらしようねって話したりして、結局吉祥寺まで行って(遠かった)スープストックトーキョーを食べ、彼女をバイト先に送った。

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そのあと自分の時間になったので、通学路じゃなくなってしまった神保町にできた三省堂書店をぶらついた。とても雰囲気が良くて、通いたくなった。

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神保町のおしゃれな本屋にこんな張り紙が。

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ずっと返せていなかった本を返すというタスクをこなし、蛇足かもしれないが食べたかったミスドを夜ご飯にした。

このあたりでいつものごとくスマホの電源が切れてしまったので、あわよくば返そうとバッグに入れてたカレルチャペックの本を読みながら帰宅。

三省堂書店に通うなら家の本を積読しなきゃと思った。デジタルデトックスしてドパガキは卒業したい。新卒初月。これからは積極的に自分の時間を見つけていこう。

映像会社の面接

豪雨の中面接のため六本木へ。

いつもだったら「足元の悪い中...」って言われたら「いえいえ笑」って返すけど、今日は「はい」だな。さすがに。

会社の偉い人達との最終面接だった。

小池百合子みたいな上役のおばちゃんにMSPのこととか結構聞かれた。たぶん演劇だけやってるだと弱いけど、作曲とか作詞のアピールしたから相当強いんだろうなって思う。あと今のテレビについてどう思ってるのとか。

もう即採用みたいな空気感の面接だった。

この間まで面接してくれた人が「チミモウリョウ」の曲を聴いてくれたみたいで、曲がアレだねって言ってくれた。その通りだと思う。

僕のこと認めてくれそうな人達でいっぱいだ。

嬉しい。嬉しいけど、今じゃない気がする。

もし受かったらどうしよう。迷う。

もう面接はしないので、美容室で髪を染めた。

バイト2日目

クウガ展バイト。

チケット販売が少し大変だけどあとは余裕。

これもクウガ展が相当イレギュラーみたい。

民度が悪いのと人が多いのと。

最低限やれてるし大丈夫だと思う。

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東京ドームの社食は最高。

タコライス定食。ひき肉と豆が美味しい。

おそらくめっちゃヘルシーだろうな。

マックの罪悪感がすべて洗われる。

しかも、これでなんと550円。安い。

食べ終わった器の磁気で精算機が勝手に料金出してくれるハイテク仕様なのも良い。

今のキャンパスの学食は高いし、美味くないし、17Fにあるし、最悪なので、あまり使わないけど、東京ドームの社食は神だな。

食べられるメニューの種類も多くて、とにかく一人暮らし4年目にしてついにアホ物価への救済がやってきた。

六月大歌舞伎‼️

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六月大歌舞伎。調べたら歌舞伎座は去年の四月以来になるみたい。今年はなかなか行けるタイミングがなくて、でも夜の部のラインナップを見て「こりゃ行くしかねぇな」と思い衝動的にチケットを買ってしまった。いや、買えなかった。映画館のように今日暇だし行くかっていうのが通用しないと以前学んだのに、すっかり忘れてしまっていた。空いてるやつは1階席の1万8000円のみ。払えない。今金欠だから。でも、『暫』を講義で見て以来どうしても生で浴びたくてしょうがなかったので、まだ諦めなかった。リセールチケットを手当たり次第。公式で推奨するホームページは無かったものの、「おけぴ」という歌舞伎専門のリセールサイトにたった1枚だけ、しかもお目当ての3階席6000円のものがあった。よし、と思って即問い合わせ。大学で歌舞伎とか学んでるので是非ともお譲り頂きたいのですが...という私情を挟んだおねだりに対し、勉強の一助となれて幸いです、と優しい女の人が応じてくれて、無事チケット購入。3階席Bの一番後ろの列だった。

 

歌舞伎座に行くまでは八丁堀の比較的新しい図書館で歌舞伎の本を読んで予習。ゼミの先生に教わったことも定期的におさらいしないと記憶の奥の方に収納されてしまっていて、そういや尾上は音羽屋だったなぁとか、そういや『暫』の主人公は少年だったなぁとか、色々思い出してるうちに時間が近づいてきたので歩いて歌舞伎座へ移動。昨日ほど日差しがエグくないものの、今日も今日とて暑ちぃ。梅雨はいったいどこへやら。

 

到着するとやはり菊五郎菊之助襲名のお祝いムードが歌舞伎座を包み込んでいるような気がした。前回と一緒で明らかに大学生ですよっていうラフな服装で来てしまい、もしかしたら浴衣を召した上品な婆さんに軽蔑されてるかもしれないと思いつつ、どうせこいつらよりも歌舞伎への造詣は深いわ。何せ歌舞伎研究家界の権威こと矢内教授の教え子ですから。むしろそっちのアイデンティティはどんなに着飾っても得られないものであるとい優越感に浸りつつ場内を闊歩。もっと深掘りしたいと思って前回買わなかった筋書も購入。明日のバイトがんばろ。

 

てことでいよいよはじまりはじまり。3階席の一番後ろということで覚悟していたけど、かなり中央寄りというのもあって、全体を俯瞰できる位置でかなり見やすい。花道の見える範囲が限られてしまうのが唯一の欠点。『暫』ではその花道から主役の鎌倉権五郎が登場する訳だが、いや〜壮観だった。十三代目市川團十郎は今までテレビでしか見た事がなくて、俺様グラサンおじさんっていう幼い頃からのイメージがあったけど、声色も佇まいも流石は成田屋の由緒。いやぁカッコよかったなあ。團十郎になってから初の『暫』らしい。先代の團十郎のお顔とインタビューの優しい受け答えにまんまと虜になってしまった身としては、あのイメージがある当代に対して少し不安もあったのだが、そんな邪念をどこか遠くに吹き飛ばしてしまうような「しーーーーばーーーーらーーーーくーーーー」。この稚気。教授は鎌倉権五郎は代々子どもになったつもりで演じなければならないと言っていた。あれほど記者の前でダンディな人が、ここまで変わるのかと。芸事の美しさに取り憑かれてしまった。内容は荒唐無稽で、でも歌舞伎の様式的な魅力がたっぷり伝わる演目だった。「歌舞伎といえば」のやつを生で見れてこの上なく幸せ。

 

インターバルを挟んで今度は八代目菊五郎六代目菊之助の襲名口上。拍手に包まれる歌舞伎座。先ほどの『暫』といい、今回の夜の部はどこかめでたいムードがあった。どうやら映画『国宝』で襲名口上のシーンがあるらしく、本物がどういうものか分かったので、今度映画を観る上でポップコーンよりもいいお供になるんじゃないかな。そのまま襲名したばかりの八代目菊五郎六代目菊之助の舞踊『連獅子』。江戸から続く伝統ある名を継いだだけあるあまりにも華麗でなめらかな舞。菊五郎ハンパねぇ。踊りについてあまり興味が持てなかったけど、やっぱこういうのは生で見てナンボだなと。菊之助もまだ幼いのに凄いなぁ。途中の愛之助獅童狂言もめっちゃ面白かった。後ろの下座音楽に小気味よく二人の掛け合いが乗っかっていて、何度も笑った。そのあとの毛振りは圧巻だった。誰でもできそうだけどいざやって見ると素人にここまでの迫力は出せないだろうなと。実の親子が演じる親子の獅子の舞はほんと最高。信じられないくらい神秘的で美しかった。

 

ちょっとここまで贅沢すぎてお腹が膨れたのと、帰ってからやらなきゃいけないことがあるのとでもう帰ってもいいかなとも一瞬思ったけど、せっかく6000円も叩いたので最後の『芝浜革財布』も観ることにした。これがまた良かった。そういやこれは落語の講義で学んだことがある。元々落語の噺だということもあって分かりやすく、ほっこりする。松緑の声色はこれまで出てきた團十郎とかとはまた全然違った良さがあって、とにかく人間味に溢れた芝居で胸がジーンってなる。これが教授の言う「ニンがある」というやつか...。ちょっと疲れてきたあたりでこういうお茶漬けみたいなあっさりした内容を見せてもらえるのもさすがに歴史ある歌舞伎座だなって思った。構成が素晴らしい。

 

『暫』の風格。"襲名口上"のめでたさ。『連獅子』の美しさ。合間の寸劇の滑稽さ。『芝浜革財布』の人情味。どれも最高。こんなに至福な4時間を過ごせたのは幸せでしかない。前回見たのが割としっとりとしたもの3本だったので、今回みたいな荒っぽくめでたく歌舞伎ニワカにもたまらない演目の連続はもう〜良すぎた。とにかく團十郎カッコイイ。ファンになった。以上。

観たい映画の羅列(観たい順)

1.『秋が来るとき』

2.『教皇選挙』

3.『メイデン』

4.『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

5.『クィア

6.『季節はこのまま』

7.『片想い世界』

8.『ミゼリコルディア』

9.『サブスタンス』

 

もう無理そう→『敵』『ブルータリスト』『名もなき者』『エミリア・ペレス』『ミッキー17』『愛を耕すひと』『TATAMI』

イル・ポスティーノ

この間まで4Kリマスター上映が東京各地で公開されていたけど、タイミングを逃してしまった。新作が次々公開されてしまうと優先順位がどうしても低くなる。心にゆとりが少ない時期だったというのもある。同じ俳優が出演しているのもあって、大好きな映画である『ニューシネマ・パラダイス』と似た味わいがあるのは予告の時点で察知していたけど、あれがよぎったら下位互換になってしまうんじゃないかという杞憂もあった。ただ、本当に映画館で観れば良かったと後悔する内容だった。『ニューシネマパラダイス』ほどストーリーに起伏はないけど、雰囲気と味わい深さは勝るとも劣らずと言ったところ。音楽も良ければ役者の演技もいい。劇場で没入したかったなあ。

 

この映画のすごいのは、主人公の郵便配達員マリオを演じるマッシモ・トロイージが、映画完成のわずか12時間後に永眠しているということ。トロイージは心臓病を患っており、移植手術を先延ばしにして撮影に臨み、1日2時間の制約を設けて演技していたらしい。それを知ってから見るとたしかにトロイージというかマリオだけ異様に汗をかいている場面が幾度となくある。間もなく死ぬトロイージのか細い発声によって、主人公の純粋さにどこか儚さが乗っかってくる。まさに魂の演技。それをアルフレードのときと同じように"導き人"として見守るフィリップ・ノワレ。おそらくトロイージの容態が気が気でないと思うのだが、詩人パブロ・ネルーダの郷愁を演じ切っている。この2人の魂の演技が、内気な郵便配達員と詩人の言葉のやり取りをいっそう深みのあるものにしている。

 

個人的に良かったのは、街を去ったネルーダに向けてマリオが街の綺麗なものを録音のシーン。ここの疾走感。この頃のイタリアに特有の情感に、美しい音楽も相まって胸が熱くなった。『ニューシネマパラダイス』でいうところのラストシーンみたいな高揚があった。だってこの役者12時間後に死んで完成した映画観てないんだぜ。それを知った上で観る『イル・ポスティーノ』、めっちゃ沁みる。

実際残念なことに約20年前にフィリップ・ノワレも死んでしまっている。

マッシモ・トロイージとフィリップ・ノワレ

二人とももうこの世にはいないけど、言葉は遺る。映像は遺る。亡きマリオに想いを馳せたネルーダの表情が印象的だったが、そんなネルーダもまたいつかは。そんな中で何を想い、何を遺すのか。とても良い映画だった。