書店バイト礼賛

書店でアルバイトをしてもう1年経ったが

ほかのアルバイトにはない(あるかもしれない)メ

リットとして、客のパーソナリティをかなり受け

取ることができる

茶髪巻き髪制服女子校生(間違いなく一軍)が

たった一人でやって来た

街中で馬鹿っぽい会話をしながら集団で歩いてい

るところしか見ることができないような女の子が

静かに一人で本を物色している姿にはどこかドキ

ッとするようなところがある

今の高校生は僕たちの時代よりもよっぽどインタ

ーネット社会に生きているのでますますパーソナ

リティや趣向が画一化されている

本を買いに来る10~20代前半は、そのほとんどが

内容のカジュアルさだけで2023年に最も読まれた

小説となった現在映画公開中の『変な家』か

tiktokerがこれは泣けると紹介してからたちどころ

に若者に人気の小説になった『アルジャーノンに

花束を』を買っていく

それ以外を買う高校生はいたとしても

もう第一印象からどこか変わっているというか

シンパシーを受け取れるので大して驚かない

そのぶん、

巻き髪一軍女子のふとした瞬間のアンニュイな表

情、このギャップが素晴らしい

そして友達と合流したあとに一軍スイッチを入れ

る瞬間の変わりようはまさにわび・さびの情緒

これを一部始終見られるのは本屋バイトだけなの

ではないだろうか