2023-08-02

東京湾沿いを5kmくらいウォーキングした。

本当はいつの間にか工業地帯に迷い込んでしまっ

てどうにか人のいる場所に戻ろうと思ってバスに

頼らず5km歩いただけ。

知らない駅で降りるとこういうことになる。

まあいい運動になった。

いつの間にか夕方になってしまい、お腹が空いた

のでうどん屋でとり天うどんを頂いた。

これは美味い。半玉天も美味しかった。

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夜は久々にミニシアターでも見ようかと思って、

新宿三丁目にあるシネマカリテに赴く。

はっきり言ってミニシアター系の邦画はぜんぜん

僕の好みじゃないし、今日がサービスデーだった

としても1100円払うのがあれだったんだけど、実

デビルマンじゃない限りなにか得られるものは

どんな映画にも必ずあるのよ。

 

今回は『神回』という映画をみた。

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高校生男女が教室にいるキービジュアルから青春

ものを期待したのだが、蓋を開けてみれば男の子

が教室で13:00からの5分間に永遠に閉じ込められ

てしまうSF。

感想を一言で表すと、

"劇場版世にも奇妙な物語(ハズレ回)"。

主演2人の演技は良かった。

男の子役の青木柚さんは二枚目じゃないけど愛嬌

ある顔立ちで自然体が似合う俳優。

ユマニテ所属だろうなぁと思ったら案の定。

カムカムエブリバディにも出てたらしい。

女の子役は高校生かと思いきや27歳でビックリ。

今田美桜とか橋本環奈みたいな顔面偏差値が高す

ぎる女優が女子高生役をやるとどうしてもコスプ

レ感が出ちゃうんだけど、こういうミニシアター

で活躍する女優さんは逆に年齢を全く感じない自

然な女子高生になり切れている。

坂ノ上茜さん。チェック。

5分間隔のタイムリープは斬新だったし、その設

定があってこそ出来るミスリードのギャグとかは

上手いこと何人かのお客さんにハマってた。

僕は笑えなかったけどね。

教室での5分間が永遠とループすることで、記憶

を継承する男の子の女の子への意識が、短いスパ

ンで多色の糸を織り成していく展開は面白い。

ループものの醍醐味は同じシーンの繰り返しの中

でたった一人だけ主人公が感情を目まぐるしく変

化させていく展開。

高校生のある時期シュタインズ・ゲートにどハマ

りしてほぼ全ての外伝小説や二次創作を読み漁っ

た下地があるのでループものは好き。

ループものであのアニメを超える作品は無いって

わかってるから見やすい。

戸惑い→興味→恋→性→怒り→罪悪感→悲しさ

これだけの感情の変化をクイックなテンポで見ら

れる作品はなかなか斬新で、序盤は楽しめた。

ループを通して性の本能が目覚ましちゃう辺りは

予想よりだいぶ遅めだったけど、「いっそ殺して

しまおう」の演出は冴えてた。

椅子ギコギコして手に血がついて襲う前に血を白

シャツの右胸あたりにベチャッてつける演出いい

ね。このシーンはきっと忘れない。(あとは?)

日本人はどんなに下手な監督でもスリラーだけ上

手にやるんだよな。あれなんなんだろうな。

けど女の子襲うシーンが見苦しいわ。

男子高生の青臭さを描きたいのか人間の狂気を描

きたいのかハッキリしろ。犬の交尾かよ。

ギャグもホラーもせっかくいいパートがあったの

に、バリエーションが少なすぎてぜんぶが中途半

端。"5分"の仕掛けを全く生かせていない。

しかも「そうはならんやろ」ポイントが多すぎ。

男の子が狂気に走った5分を見せた後に、嫌にな

って泣いちゃうのを見せる。そしてそれを慰めて

あげる女の子という構図に、永遠の5分が無けれ

ば埋まらなかった空白と、だけど空白を埋めたと

ころで距離は縮まらない。リセットされてしまう

切ない展開を期待して心のグッドボタン押したん

だけど、1回ループ跨いでまだ泣いてるの意味わ

かんなすぎてすぐにグッド取り消し。

ループしたら普通は泣き止むだろ。

しかも急に男の子が泣きだしたら女の子に湧く感

情は?戸惑い一択だろ。5分で"慰める"までにたど

りつかないだろ。

あとループして最初に女の子が毎回言う「ありが

とう。ねぇ聞いてる?」がなんとなく毎回違う言

い方してると思って、もしかしてループを突破で

きる周期があるのか?とか実は女の子側はAIで、

男の子が何度ももがく姿がプログラミングを超え

た先の恋愛を実らせるとかそういう展開を期待し

たんだけど、ただの演技のムラだったらしい。

そういう辻褄の合わない部分にガッカリ。

最悪なのが、みんなが期待していたであろう5分

間のループが織り成す高校生男女の恋という設定

を途中で放っぽってしまったこと。

病室にて死前喘鳴の老人とその息子夫婦(?)

実は寝たきりのおじさんが近未来の科学で過去の

幻想を見させられ続けていたという種明かし。

現実で女の子がお婆さんになって登場。

実はあれはおじさんの妄想で、本当は別の男と仲

が良かったのを男の子が傍から見ていた記憶を勝

手に良いように解釈させられているという衝撃展

開。

一方で男の子は教室で「俺たち成長してる!」

記憶の中で男の子と女の子が教室でどんどん老い

ていき、おじいさんとおばあさんになってもお互

いに他愛のない喋りを繰り広げる。

あれ5分の設定は?

途中からもはや"5分"がネックになってた。

総じてよく分からん映画だった。

最後の感動演出も監督の得意分野のプロジェクシ

ョンマッピングなんかでもはやギャグ。

仮にどんなにいい脚本だったとしてもプロジェク

ションマッピングは興ざめするって。

最後にタモリ出てこい!って心の中で叫んだ。

自分だったら永遠の5分×高校生男女×教室という

仕掛けをどう活かすか考えながら京王線で帰宅。

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嘘八百ボードの方が100倍面白かった。