The Wild Bunch

「寒っ」

昨日はあったかかったのにまたさむくなり

寒さに抗うのもバカバカしいし

いっそのことサム・ペキンパー監督でとことんサ

ムくなっちまおうという事で『ワイルドバンチ

荒野の用心棒以来の久々の西部劇

いやー素晴らしい映画だった

ハリウッドにおいて完全な過去の栄光になってし

まった西部劇の復興を信じたくなるような

なんといっても音楽と銃撃戦の切り返し

キリスト教徒の牧歌的なマーチの裏でギャングた

ちのシビアな会話が繰り広げられる冒頭

そしてついに銃撃が始まるという瞬間の高揚

それは想像を絶するほどの地獄絵図

この瞬間にペキンパーが堅苦しい映画監督だとい

う先入観が見事に崩壊し、魅入らされてしまった

舞台はメキシコとアメリカ南部の国境ということ

もあって、メキシコ先住民との交流も描かれる

その交流こそ西部劇というジャンルに詩情のエッ

センスを加える素晴らしい描写だと思う

ここはパクりたいなあ

1969年の映画だから当然アメリカン・ニューシネ

マの旋風をところどころ感じるんだけど、

どうやら西部劇って60年代の終わりに死ぬらしく

最後に相応しいぶっ飛び具合だった

敵の追っ手を撒くために橋にダイナマイトを仕掛

ける場面なんかは、実際に橋に馬車に乗った人間

が数人まだ残っている状態で爆薬を使って実際に

橋を崩壊させるという今じゃ考えられないスタン

トに唖然としてしまった

なんといっても暴走機関銃のシーン

ペキンパーはコストコ中の在庫を買い占めたのか

というくらいに弾着を使う

あまりの荒唐無稽さに乾いた笑いが止まらない

https://youtu.be/QvDAqlmOQ_w?si=fw4eClm5GEXQuuBS

あとは仲間が捕まった場面で、パイルがLet's go.

というシーンの他のメンバーの視線のショット

ここも本当にバチバチである

なによりラストシーンの銃撃戦はとんでもないカ

ロリーで、ハリウッド映画の凄さを改めて感じた

"デスダンス"と呼ばれてるらしい

スローモーションで倒れゆく男たちが美しい