2023-07-27

中野で散髪。

美容師のお兄さんが同郷出身でしかもサッカーや

っていた人らしく、対戦したことあるクラブチー

ムだった。年齢は4つ上で高校では染野がベスト4

に行った代の尚志に負けたらしい。

東京に来てからいろんな所で福島の人と出逢う。

自分が地元を聞いてくる人がほぼ毎回同じ福島県

出身だったりするのが宿命を感じる。

 

ジョジョの2部「戦闘潮流」を見終えた。

ラスボスの鬼連チャンでシリアス待ったナシなの

にコミカルにしてしまうジョセフ・ジョースター

アメリカンでエネルギッシュな活躍が楽しかっ

たな。まあジョセフはイギリス人なんだけど。

なにより流石は荒木飛呂彦。1部から2部までで、

ジョセフ以外にも好きなキャラが沢山できた。

 

まずはワムウ。

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今まで見た漫画の中で最もカッコイイ悪役。

悪役ではありながら勝負への崇高な誇りがあるの

が非常にカッコよかった。

僕は19年間ずっとこういう敵キャラを待ってた。

俺はお前のことを永遠に記憶のかたすみに留めて

おくであろうワムウ。

 

つぎにシュトロハイム

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こいつに関してはキャラが好きなのは勿論だが、

このキャラを通して荒木飛呂彦先生が好きになっ

た感慨深い存在である。

ナチスドイツの軍人であり、うるさくて傲慢な性

格で、正直味方の立ち回りをしていなかったのだ

けれど、なんだかんだ主人公を何度も助ける素晴

らしい活躍。

なんといっても2部のエピローグでこの壮大なジ

ョジョの冒険の後にスターリングラードの戦いで

戦死してることが語られるってのが最高。

荒木先生が戦争に抱いている惨さとか虚しさがこ

の描写に全てつぎ込んであるような気がした。

元々こいつは2部の敵キャラになる柱の男を復活

させて軍事力を増大させる計画を練っていた。

しかし自ら復活させた柱の男がとんでもない奴ら

だということに戦慄してしまう。

この滑稽の見本すぎる最高の立ち回り。

波紋の使い手である人間超越のジョジョと戦闘生

物である柱の男の間で最も人間らしく生き血を燃

やしたキャラと言えよう。

その責任とドイツ軍の誇りにかけてジョジョを勝

たせるために死亡フラグを建てて自爆。

しかししばらく経ってなんとドイツの科学力でサ

イボーグとして復活し、再びジョジョと共闘。

ここまで来るともうなんでもアリだ。

紫外線噴射装置とかいう訳分からんもので大量の

ゾンビを死滅させる貢献。かと思えばその紫外線

噴射装置を石仮面を被っていたカーズに当ててし

まい、ラスボスの究極パワーアップを手助けする

戦犯にもなってしまう。

それでも危ない局面でまたジョジョを助けたり。

この正解と不正解の狭間を漂う泥臭いキャラク

ーを描ける荒木先生にまず感服。

そもそもナチスドイツという史実上の失敗を主人

公の味方キャラとして描くことで許容する懐の広

さが感じられて素敵だ。

そして、エピローグでそんなシュトロハイムがス

ターリングラードの地に倒れたことがあっさり語

られる部分に二度感服。

特殊能力も持たない人間キャラの中で最もファン

ジーに生きたキャラクターすらも、史実の戦争

の餌食にしてしまうという荒木先生のセンス。

グランドブダペストホテルとかワンハリのラスト

シーンに通用する哀愁の波動がここにある。

結局戦争にはファンタジーなんて通用しないのだ

ということを思い知らされる。

キャラクターの生涯でこういう起伏を描ける人は

軒並み天才だ。

 

そして最後にスピードワゴンf:id:kzombie:20230727182045j:image

エリナを除いて1部と2部の2人のジョジョの生き

様を近くで見てきた唯一の存在。

ハッキリ言うと彼はなんも貢献してない。

1部なんかは、ジョナサンとツェペリ男爵が必死

に敵と戦う一方でただ見届けることしか出来ない

ザマにイライラしてしまうほど。

あの少年ポコですら活躍があったのに、スピード

ワゴンの活躍はウインドナイツでジョナサンに出

会い頭にギロチンハットを投げたときだけ。

ただ、そんなスピードワゴンが2部では一転して

ジョナサンとDIOの激闘を知っているただ一人の

存在になるため、印象が逆転する仕掛けがある。

この、ただの人間でありながらジョジョの歴史に

大きく貢献して、ただの人間なのにちょっとカッ

コつけてみたりして、そしてただの人間らしく死

んでいくところに最高の人間賛歌がある。

アニメ版では最後にスピードワゴンと同様にジョ

ジョの奇妙な冒険の見届け人だった僕たちの前か

らクールに去る描写があるのが最高だ。

最初はムカついていたキャラクターなのに、思わ

ずお疲れ様と言いたくなった。

 

ほかにもツェペリ男爵とかシーザーとか黒騎士ブ

ラフォードとか挙げればキリがないのがやっぱり

荒木飛呂彦の非凡なセンスを物語っている。

人間賛歌は勇気の賛歌。