ふつつか執筆だより

家に籠って脚本の課題に取り組む

今回は「一年間」の季節の移り変わりの中での人

間模様をペラ8枚で書いてきなさいという課題だ

風景や風物でいかに季節を表現出来るかだったり

登場人物が最初と最後でいかに変化・成長してる

かだったりのテクニックが問われてくるのだろう

季節は絶対に一巡させなきゃダメらしい

 

ようは

最初の柱のト書で「桜が満開である」と書いたら

最後も「桜が満開である」と書かなきゃいけない

それをたったのペラ8枚でというのだから大変だ

無難なものなら書けるかもしれないが、ちょっと

冒険してしまうとその時点でもう僕の求める完成

度が保証できない気がする

 

最初は手塚チックなSFで書こうと思ってたんだけ

ど、設定とか構成とか考えてるうちにちょっと収

拾つかなくなって、手塚治虫の頭んなかの凄さを

改めて思い知るはめになった

 

"小さい枠の中で季節をうつろわせながら人物の心

情を揺り動かす"というので僕の知る限り最も感心

するのは、藤子・F・不二雄の「四畳半SL紀行」

なんだけど、あれでもシナリオ化するとペラ15枚

くらいは必要になってくるはずなので

いかに今回の課題でクオリティを保つのが難しい

かがよくわかる

 

大人のドロドロは好きじゃないし

ぜんぜん書きたいとも思わないから

「四畳半SL紀行」のジュブナイル感を残したまま

なにかうまいことできないかを考えたときに

"立場が違ったり、距離が離れていたりして希薄な

んだけどたった一つの絆で繋がれている関係性"の

素晴らしさを描きたいなというふうになった

もしお互いに慣れた関係だったら会話ですぐに原

稿用紙が埋まってしまうので、そうじゃなくてお

互いにどこかよそよそしいくらいの関係を継続さ

せればいい感じにペラ8枚に収まるんじゃないか

恋の "ムズムズ"を季節に添えてみたい

 

ということで参考にするのは

以前この日記で"学びがない"と言った岩井俊二

「Love letter」である

まさか岩井俊二をみっちり学ぶ日が来るとは

あの素晴らしいラストシーンを再現したい

そのためにはいかに男の子に"アイツ"感を出させ

るか、そして男の子が女の子の前から姿を消した

状態ではじめて心を奪う、そのためにもどかしい

関係を終盤まで持続させないといけない

こりゃあ大変だ

2時間の情緒をたったの6~7分でどうやったら再現

できるのだろうか