人生初歌舞伎!にざたま

寝落ちしてしまった!覚醒してまず焦る

時計を見ると8時

なんとか助かっているみたいでホッとした

今日は心地よい忙しさで駆け回る日になりそう

そんな気持ちで朝っ風呂に浸かる

結句2限の演技論には10分遅刻してしまったので

朝風呂に関しては今後検討が必要である

とはいえ出席をとる語学の講義以外は最初の10分

は前回の振り返りだとか先生によっては世間話

そんな感じでゆっくり教室に入るものの

みんななぜか席の端に座っていて中央しか空いて

いないのでやむを得ず内側に座るために女の子に

声をかけると思い切り睨みつけられてしまった

おぉ~怖い!

そりゃ遅刻した僕も悪いけど、さすがに睨まれる

ほど僕が酷いことをしたとは思えない!

大体ほかの人たちも後から来る人のために真ん中

から順に座ってもらえないものか

 

駿河台での講義を終えて昼飯をパスしてそのまま

永野先生のくせつよ講義を受けるために和泉へ

今回は君の名は。をとことんディスられるはずだ

ったが、思いの外先生は作品を褒めてた気がする

仙台出身の先生は震災を揶揄させるシーンに憤っ

たらしいのだが、逆にその部分を除けば本当によ

くできた話だと語っていた

何度も見ている冒頭の3分を観ただけなのに

どうしてだろう、目頭がじわっと熱くなった

 

お待たせしました

今日の僕を体だけじゃなく

心まで忙しくさせるメインディッシュのお時間

今日は人生で初めて歌舞伎を見る日

今まで講義で映像を見ることは何度もあったが

生で体験するのは今日がはじめて

たっぷりの想像力をふくらませて歌舞伎座

すれ違う人の紙袋に銀座の色彩を感じて

パーカーのフードを恥ずかしく思う

圧倒的な5~60代率

持ち込んでいいらしいのでパンを買ったのだが

とうてい食べられる気分じゃなく

遅めのお昼はやむを得ず延期

いよいよ席に座ると黒・柿・萌黄の定式幕にそれ

なりにテンションが上がってしまう

急ぎでチケットをとったので1万円もする2階席で

見れるのだが、まあ今回がラストチャンスだろう

その情感を噛み締めつつ開演までじっと待つ

いよいよ幕が開けるその勢いの良さに歌舞伎を感

じて、舞台上の物語に一気に吸い込まれていく

市井の会話に心地よくなっていると

いよいよにざたま登場

にざたまとは片岡仁左衛門坂東玉三郎のコンビ

をファンが親しんで呼ぶ愛称のことである

二人合わせて150歳を超えることに衝撃を受ける

が、なにより全くその齢を感じさせない仁左衛門

の男らしさと、玉三郎の妖艶さ

このコンビを見られるのは今回限りだと思うと寂

しくなるといった感覚は僕みたいなニワカファン

にはないものの、やっぱりそこはかとなく凄みは

感じられて、目に焼き付けておきたいと思った

悪党とその妻という役柄ではあるけれど

どこか滑稽で可愛げがあって

低俗なたとえだがバイキンマンドキンちゃん

ような2人を楽しむことが出来た

僕が感動したのはそのあとの神田祭という舞踊の

演目、これが凄かった

神田明神の祭囃子が遠くから聞こえると

やがて仁左衛門が、遅れて玉三郎がやってくる

2人がただ踊るだけの演目なんだけど

日本の伝統と香りと、その年輪をしっとりと感じ

させる二人が邂逅する瞬間のじんわりする感覚

それは僕だけじゃなく客席もなんとなく感じ取っ

たのだろう

ふだんは映画と違ってそこそこがやついた歌舞伎

の客席全体がふと息を飲み込むような瞬間

ああ、これが教授が言っていた"ジワが来る"か、

とちょっと感動してしまった

次はもっと勉強してから行ってみたいf:id:kzombie:20240428121119j:imagef:id:kzombie:20240428121125j:imagef:id:kzombie:20240428121133j:image