今日も雨。
最近はいやな天気がずっと続いている。
僕は梅雨の時期は好きじゃない。
だけど、それがなければ作物も育たない。
それがあるからハレの日が特別なものになる。
人生も天候もこの世のなにもかもがそういう原理
に基づいてる気がする。
さて今週はどんな1週間にしようか。
空きコマに久々にとなりのトトロを見た。
それが正解な気がした。
僕の精神構造上、雨の日はノイズが入るみたいに
憂鬱な思い出が幾つもフラッシュバックする。
あの日の空回り、あのときの間違った選択。
そういったものが混じった雨が、無機質なコンク
リートに弾けて靴を濡らす。
正直トトロを見てる最中もいくつも嫌な思い出が
頭の中を跳ねて、心を委ねて見れなかったのが悔
しかったけど、また相応のタイミングがきっと来
ると思うから、晴れの日までちょっと辛抱しよう
と思う。
でも夜中にトトロたちとおまじないをして木がめ
きめき伸びていくシーンには鳥肌が立った。
そのシーンに日本という国の全てが詰まってるな
と思ったりする。
広島の光景がここに繋がってくる。
あのときバス停を1個通り過ぎなければ見れなか
った景色は、あのおぞましく美しいまさにメイと
サツキが裸足で走り回った景色そのものだった。
宮崎駿の少年少女は目的地を通り過ぎて引き返し
てきたり何かに正面からぶつかったりする。
そんなの描く必要は無いけど、それを描く。
僕はそれが人生だからだと思う。
そして日本人の根底にあるアニミズム。
政治とか社会で日本を語るよりもずっと大切なこ
とを宮崎駿はやっていたんだなあと思って、まだ
くたばって欲しくないと切実に思う。
宮崎駿の次回作が今後の僕の人生の分岐点になる
ような気も今のうちからしている。
朝起きて昨晩の大樹はなかったけど小さい芽が出
ていたサツキとメイの台詞。
「夢だけど、夢じゃなかった...!!!」
令和になってこの言葉を大切にしない日本人が増
えた。
フィクションだから。現実らしくない。
そう言い訳する人達はいったい現実のなにを知っ
てるんだろう。
まっくろくろすけもトトロもネコバスもいる訳な
いけど、いる。
そう言える勇気をもって僕は荒波を渡っていきた
い。