2023-06-16

ここ最近でいちばん退屈な日だった。

親友であり戦友の幼なじみと夜通し俺たちはどう

やったらすごくなれるのかずっと討論してて、徹

夜明けで大学に行ったら、眠気以上に周りの人間

が浅はかすぎて辛かった。

そういう人が当たり前だって両親も言うし、そう

いう人たちの弱さを汲み取ってあげる余裕が大切

だって思うようにはしてるけどあまりにもすぎて

そろそろ臨海に達しそう。

会話に同調しかできない情報にも疎い全く面白味

のない東京生まれだったり、東京に出てきて自分

を見失って本当は一クセあるのバレてるのにそれ

を隠そうとする悲壮オーラたっぷりの情けないや

つだったり、陰キャのくせにモテたいために無理

してるやつだったり。

そういうやつと会話してるとき、そういうやつの

好きな部分を見つけようと目線を合わせて会話す

るんだけど、どうしても進撃の巨人に出てくる無

垢の巨人みたいに見えちゃって仕方がない。

目が虚空を向いてるような感じ。

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無垢の巨人のように自分の意志が無いor弱い人間

味の感じられないやつばっか。しょーもない。

そういう人たちがいざ"発表"する場を見てると、

どいつもこいつも全く面白みがなくて本当に大学

生なのかと疑ってしまう。

若いやつの甘さはまだ"若さ"として許してやる。

いつかそいつがその甘さから脱却する日が来るか

もしれないし、来ないかもしれない部分にちょっ

とムカつくだけ。

 

だけど、今日のバイト先のバディは最悪だった。

ヘルプで最寄り駅のほうの店舗に入ったんだけ

ど、由井という30代くらいの男と組まされた。

この男と組むと知ってから、なんか嫌な予感がし

たのでクボデラさんにこの人の情報を聞いたり、

LINEのアイコンには人の個性が現れるのでそのへ

んをリサーチした。

クボデラさん「ゆ、由井さんはラーメンが好きだ

からそういう会話とかね。ま、ま、漫画とかも好

きみたいなんで伺ってみてください。」

わい「ラーメン?二郎系ですか?」

クボデラさん「い、いや、なんかー富山まで富山

ブラックを食べにわざわざ新幹線に乗ってすぐ帰

ってくるらしい。こ、こ、この間はラーメン食べ

に京都に行ってたかな。」

まず嫌な予感30%。

ラーメンを本業の趣味にしているやつにロクなや

つはいない。よく僕みたいな大学ぼっちと二郎に

行ってくれるクボくんがもし卓球のスペシャリス

トじゃなかったら断ってると思う。

わざわざ富山まで行ってラーメン食べて終わりか

い!出費の割に生産性無さすぎる。

広島の牡蠣とか山梨のぶどうを食べに行くなら別

だが、どこでも大して味が変わらないラーメンを

食べに行くことだけの新幹線なんて信じられん。

わい「交通費の方が高いって凄いですね笑」

クボデラさん「なんかボンボンらしいからね。」

ボンボンなのに書店で働く三十路を送るなんて勿

体なさすぎて僕には考えられない。

40代のクボデラさんも住んでる家がアパートにな

るくらいボンボンらしいけどそのへんの嫌味は全

く感じない。

むしろいつも右肩が露出するくらいヨレヨレのT

シャツを着ていて、もじゃもじゃヘアに会話の出

だしが吃り気味というお金の匂いを微塵も感じな

い強烈なファーストインプレッションなんだけ

ど、それをひっくり返してしまうほどの優しい人

柄にいつも助けられている。

小学生の頃は客として書店に来ていて、今は店員

をやっていると言っていたけど、たしかに客に名

前を覚えてもらってたりして、その関係性をみる

たびに素敵な人だと思う。

話していてどこか少年心も感じられて、世間一般

の大人のイメージとはだいぶかけ離れているけど

僕は好きだ。

さあやつのLINEを見よう。

LINEのアイコンは台湾かどっかの鳥の頭をしたマ

ネキンのモニュメントで、嫌な予感50%。

そのうしろのヘッダーは東南アジアのどっかの国

の仏塔なのかショッカーのアジトみたいな緑色の

照明に仏教っぽい文様がずらずら。奥にブッダ

描かれた建物の写真。

嫌な予感80%。

これをアイコンにしようという魂胆がなんか気持

ち悪い。吐き気する。

野心のために孤独を受け入れる勇者タイプではな

く、元々の恵まれた環境が孤独にしてしまったモ

ンスタータイプだ。こうやって決めつけると人は

偏見だというけど僕の偏見はだいたい当たる。

さあいよいよ当日、僕は店舗自体は最寄り駅にあ

るのにわざと2分遅れて行った。いつもは必ず5分

前にはタイムカード押してるけど、2分遅刻とい

う絶妙なやつで僕のことをどうやって叱ってくる

のか、それともスルーしてくれるのか興味があっ

た。

案の定嫌味ったらしく注意してきた。

僕が先輩の立場で後輩が遅刻してきたときは、お

互いにどうでもいい話で談笑してるときにさらっ

と注意すると思う。それがいちばん注意としては

効果的だと思うからだ。

由井はもう出会い頭に言ってきた。

直接じゃなくて遠回しなやつ。

「今何分かわかる?」こういうの1番嫌い。

僕の遅刻が店に良くないから注意したのかもしれ

ないと、この時の僕はまだ由井が正しいよなと思

いながら素直に謝った。

あとは由井がいかにこの店を繁盛させる気がある

かを観察するだけだ。

見た目は僕より身長が低く、頭でっかちで年齢の

割に顔が幼い。髪型も議員みたいな1000円カット

ヘア。ボンボンという情報がしっくり来る。

おまけにこの店舗はいつもの店舗よりもずっと時

間の流れが遅いから最悪。

そ、し、て!

とってもとってもとってもとってもうざい!

いちいちそこ注意する?みたいなとこ言ってくる

し間が悪いしでほんと最悪。こっちは慣れない店

舗にヘルプで入ってんだから粗いとこあって当然

だろ!

僕は複雑なレジ打ちのときに時間かけて打つけ

ど、ちょっと時間がかかると必ず不安そうにこっ

ちみてくるとことかとにかく文章にしづらいうざ

さがある!

あまりにもうざかったのでうざいと思った箇所を

ダイジェストでお送りしたいと思う。

 

「バックルームにオレンジのケースのスマホが置いてあったけど、あれキミのだよね。」

「そうですけど」

「いや、別に邪魔とかそういう訳じゃないんだけど、管理しっかりした方がいいと思って...戻してきな。」

いや別にそのままで良くね?

そのためにわざわざレジ空ける必要ある?

 

「店長から伝言預かってたけど、日経エンタの雑誌、増刊の方じゃなくての通常の方返品しちゃったらしいね。」

「やべ、すみません。でもこの表こんなに紛らわ

しいことあるんですね。(若さ)うっかり見逃しち

ゃいました。気をつけます。」

「いや、別に大丈夫。"新入りの事故"ってあると

思うから。そういうこともあるから、うん。」

こっち側が1回すみませんって切り返したらもう

その発言嫌味にしかならないよ?

そして4ヶ月目の僕に対して"新入り"っていうワー

ドチョイスなんなん?

2ヶ月以降のミスは"新入り"じゃなくて"うっか

り"だろうが!

 

言葉の裏に僕を下に見ている匂いが伝わる。

(日大生か明大生か...。いい大学に入ったからって

調子乗んなよ。)

(身長はボクより高い今風の大学生か...。顔もイケ

てる。遅れてきやがってボクの事舐めてるな。)

このどっちかだろうな。

作業はテキパキやっているようだけど、客対応の

アドリブもきかなければ教え方が下手くそ。

繁盛させる気あっても繁盛しないタイプだな。

 

 

1番最悪だったのがこれ。

腕の動きに違和感があるお父さんと元気な小学生

の息子がコロコロコミックのバックナンバーの注

文を頼んできた。脚注はシステムを理解しきって

ない客とそれを説明する僕とお互いに神経を使う

ので苦手だ。

僕は品薄のバックナンバーの注文はまだ慣れてな

いから大人しく由井に頼むことにした。レジに備

え付けのインターホンがあるのだけれど、後ろに

客が並んでいるわけでもないときの客への応接中

にそれを押すのは無愛想だという僕なりの判断

で、お客さんに「ちょっと上の者読んで参りま

す。」と断りを入れてからバックルームへ駆け足

で由井を呼びに行った。

由井はさすがに慣れた段取りで客注の手続きをし

ているけど、その慣れた文言の中に客へのタメ口

が混じった様子に失礼だろと心の中でツッコミつ

つ、悔しかった。

きっとこのお父さんも子供もこれから先大変な部

分があると思うから、せめてこの一期一会をより

良いものにしたかったんだけど、今回は自分の勉

強不足で上手くいかなかった。

いつかあなたたちのコロコロコミックへのワクワ

クを超える何かを生んでみせます。

その親子が去ったあと、由井は真っ先にインター

ホンを押してねと僕にやんわり注意してきたあ

と、ウエットティッシュを持ってきたと思えば勝

手に僕のペンに触らないでほしいなぁとお父さん

が神経を使うやり取りの中で誤ってボードに備え

付けのペンじゃなくて自分のペンに触れたことに

対してブツブツ呟きながら自分のペンを3度拭き

していたのだ。

僕はその様子が信じられなかった。

潔癖とかいうレベルじゃない。

ここまで腐れるか?

相手は汚れている訳でもなくて印象のいい親子。

お父さんは腕を麻痺してるように見受けられた。

僕はだいたい接客のとき、親子であれば一段階、

相手にハンディがあればさらにもう一段階ギアを

上げてやり取りに気を遣うように心がけている。

それが"コミュニケーション"だと思うからだ。

由井ぃぃぃぃ!お前なにした!?

思えば僕のスマートフォンを乗せたコピー機に由

井のいろはすが乗っていたし、潔癖は仕方ないん

だろうけど良心がないから最悪だ。

スカッとジャパンの悪役でしか見たことがなく、

こういう人がリアルにいることに衝撃を受けた。

もうこいつ無垢とかいうレベルじゃなくて奇行種

だと思った。f:id:kzombie:20230617154317j:image

 

嫌な人といるときの僕はコントロールが効かなく

なる。

あまりにも早く帰りたすぎたのか、向こうが外の

棚を撤収作業に入った時、気がつくとまだ閉店時

間5分前なのにレジ締め作業を始めていた。

向こうが「早いって!」と什器を放りだしてダッ

シュでレジに突進してきてようやく気がついた

(笑)

自分なにやってんだろうという呆れと、そのとき

の向こうの焦りようが面白すぎて爆笑してしまっ

た。今でも思い出すと笑ってしまう。

むこうは必死に立ち読みしていた客を追い払って

いた。そこまでする必要あるの?笑

そのあと「ビックリして叫んじゃったけど怒った

わけじゃないから、」と僕に言ってきたので、

「いや怒ったでいいじゃん笑」と言い返してやっ

た。

舐めてごめんね?クソ野郎。