2023-06-22

人間関係の部分で悩みくたびれた。

高校のときもそうだったけど、考えを持たない周

りの同調圧力に、考えを持って真っ直ぐ生きてい

る僕は苦しむ。

考えを持たないのならプライドとか捨てて相手を

信頼すればいいのに、ネガティブに自分の立場へ

と相手を引きずり下ろそうとする心の弱さが、同

調圧力の正体だと思う。

高校のとき自分の夢のために先生に抗った僕を迫

害した彼らの近況を聞くと、上京したもの同士の

コミュニティで遊んでいるというけど、大学で新

たな環境に適応したという情報は一切聞かないか

ら、きっと夢を諦めた人生の最果てに泉は無いの

だと思う。生きづらさを薙ぎ払う最大の武器が、

"夢"であるのに、どうしてそれを諦めて、"夢"を

もつ人間を貶むのだろう。

だから今僕が所属する撮影班の彼らも恐らく数年

後枯れる。

そういう人たちは本だったりYouTubeで、周りと

の付き合い方講座みたいなものを一生懸命受ける

んだろうけど、結局それも他者からのアドバイス

でしかなく、自分自身のベースにある"考え"を持

たなければ結局悪循環に苦しむだけ。

SNSの監視社会で、かつての何倍も生きづらさが

増したと思う。夢を子供の頃に置き去りにして、

大人になるのが正しい社会。

それでも"映画"は考えさせてくれる。

夢があるから、"映画"は美しくなる。

その美しさは直接的ではなく、間接的に自分自身

の心に呼びかけて、問題を解決させてくれる。

だから美しいし、そういう作品が名作なのだ。

 

この心の靄を薙ぎ払うべくおよそ1年振りにニュ

ーシネマパラダイスをみた。

この間は音楽とストーリーに泣かされたけど、今

回はアルフレードの言葉に心を掴まれた。

 

故郷の家族や友人は色々なことを教えてくれる。

アルフレードは、トトにとって、父の代わりのよ

うで、友達のようで、故郷の象徴のような存在。

そんなアルフレードが教えてくれた"映画"に、ト

トは青春のすべてを捧げてきた。

でも、トトが大人になったとわかるや否や、廃れ

た錨が散在した波打ち際でアルフレードは言う。

「ノスタルジーに騙されるな。」

「人生は映画のように甘くはない。」

「しばらく故郷に帰るな。」

自分とトトを結びつけた映画や故郷に対してこの

言い様である。

アルフレードがトトとあれだけ美しい関係性を築

いたのに最後に突き離した理由を初めて見た時は

分からなかったけど、今は少しだけ分かって、そ

こに今回は感動した。

人生はただ春の夜の夢の如し。

人はだんだん若さを失っていく。

その若い炎が最も燃えているうちに、故郷はたく

さんのことを教えてくれる。その日々は夢のよう

で、ただ、結局その夢を見ているうちは故郷の奴

隷でしかない。

そして、そこに居続けていても若さは失わていく

だけ。若さが失われるにつれて、だんだん自分の

することを愛する能力、すなわち"夢"も失われて

いく。

だから故郷を離れて、いつか失われる故郷の夢で

はなく、死ぬまで一生見れる本当の夢を自力で見

つけなさい。

友人・大恋愛・映画のような夢ではなく、現実を

生きて、そこでまた少年の頃のように没頭しなさ

い。そうしてはじめて、夢は叶う。夢は現実にな

る。

ただし、君の夢に向けた長い没頭の間に、私は、

ニューシネマパラダイスは、あの楽しかった日々

は、人生で唯一の恋は、美しい街並みは、全て朽

ちていく。そこに夢など元々存在していなかった

かのように。

そのジレンマは覆せない。

なぜならそれが人生だから。

人間が神から授かった諸行無常というタスク。

その褒美とも罰とも言える人生のなかでアルフレ

ードがトトに贈った最後にして最大の愛であっ

た。

アルフレードが本当にトトの事を愛していたか

ら、トトの目に映った最後のアルフレードは、遠

くなっていく駅舎のベンチからゆっくりと立ち上

がる何の特別性のないアルフレードでしかない。

だけどトトの心の中でアルフレードはいつまでも

生き続ける。辛いときは支えてくれる。

それこそが絆であり、愛である。

 

親にいろんなことを教えてもらううちは若さだけ

ど、その若さが尽きるまでに親から離れた場所で

いろんな経験をしなければいけない。

そうしないと夢は叶わない。

ニューシネマパラダイス公開当時は無かったスマ

ホで数秒で繋がれてしまうのが今の時代だ。

あの作品のように30年間故郷に帰らないなんてこ

とはしなくてもいいけど、"親のためにかっこつけ

たい"とか"親に自分の凄さを見せつけたい"とか思

っているうちは夢は叶わないと思う。

だから今の苦しさも自分の力でなんとかする。

そうすればきっと夢は叶う。

大好きな映画は、どんなに辛いことがあってもそ

のたびに水のように相を変えて僕を助けてくれ

る。

アルフレードありがとう。f:id:kzombie:20230623140628j:image