ジレンマ

世田谷の本屋で今日も黙々バイトしていると

気づいてしまう

できれば気づきたくなかったけど、、、

 

君は絶対アイドルのセンターになれるよって感じ

の女の子がたまに来ることがある

礼儀も正しいし愛想も良いし、地元の高校や今通

っている大学にはこんな理想的な子はいなかった

と思う

気持ち悪い話だが

僕が好きになる女の子は高校時代から「守ってあ

げたくなるオーラをもつ女性」で変わっていない

本来女の子が持っているはずのガード、つまり威

圧感・同調圧力・自己中心的なオーラを全く感じ

ないような子に僕は惹かれてきた

だから社会の多数派に属している女の子にはあま

り惹かれない

「この子は僕が守ってあげなきゃ」と判断してよ

うやく僕は恋をする

それ以外の女の子は僕以外のしっかりした人に守

ってもらった方が幸せになれると思ってしまうか

ら、アプローチされても距離を置く

僕の恋は一目惚れではじまる

見た目とか性格じゃなくてその人が発している特

別な空気感に惹かれる

小さい頃から夢に出てくるのはそういう子だった

 

でも最近気づいた

「守ってあげたくなる」子はみんな

「守ってあげられてきた」のだということに

自分で自分を守る必要がないから他人を疑う人に

特有の雰囲気を感じさせないのである

そういう子は基本書店に親御さんと来る

素敵な財布を使っていて、礼儀も正しい

その佇まいにはどことなく"由緒"を感じさせる

そういう子にしがねえ人間の僕が近づくことは

ふつうに侵略行為なんじゃないかと思う

一目惚れってあまりに非合理的なんだけど

その価値観は一生変えられない

僕にとって"恋"とは生まれながらに背負っている

原罪なのだ

だからいい加減理想を捨ててしまいたいのだけど

それはできそうにない

 

僕は心のどこかで

恋は"叶わないもの"だと思い込んでいる節がある

のかもしれない

果たして20代のこれから

そういう自虐的な考え方が改善されるのか、

それとも叶わないものが叶うような奇跡が起こる

のかどうか僕にはまったく分からない