2023-07-23

27時間テレビがやっていた。

久々に聞いたと思ったら4年振り開催とのこと。

歌謡祭でなんと本物のTRFマツケンサンバが聞

けて嬉しかった。

テレビの生放送のワクワクは、YouTubeだったり

AbemaTVではあんまり出来ないものだと思う。

僕はあのグダグダ感が小さい頃から大好きだ。

特にクリスマスの深夜帯とかは最高。

あの空気の中に入っていきたいと何度も思った。

とんねるずはねトびのメンバーが生放送ではっ

ちゃけていたのが脳裏に焼き付いている。

だからこそ大人しくなっちゃった今のテレビ番組

が非常にもどかしい。

ただやっぱり27時間テレビはお祭りだ。

何度も爆笑したしずっと楽しくて、僕は生粋のテ

レビっ子なのだと思わされる。

 

本屋のバイトで店長とジブリ新作の話をした。

「ああいうのって災害とか戦争とかの理不尽を経

験してきた人じゃないと作れないし分からないん

ですよ。」と僕はご多分にもれず店長にぬけぬけ

と豪語していた。

すると店長は、丁度ポニョが流行っていた2008年

のとある経験を教えてくれた。

店長はそのときも書店の社員だった。

ある日上司に、

「今から言うことは絶対に断るな。」

と言われて、当時はあった八王子の店舗に社員と

して派遣されたらしい。

その前日、そこで悲惨な事件が起きた。

僕と同じ大学生のアルバイトが通り魔に刺されて

殺されてしまったのだ。

帰ってから調べたらかなり話題になった事件だっ

た。というのもアキバの事件と同じ年だったらし

く、あの頃は通り魔事件が連続して起こっていた

ために非常に注目されていたらしい。

犯行動機は仕事と両親へのストレス。

相手は誰でもよかったらしい。

そんなのってあんまりにも理不尽じゃないか。

そのときは翌日から営業した。

他の店員は全員PTSDで出勤出来なかったそう。

当然だ。

そこに店長は社員として派遣されたそうだ。

前日そこで1人亡くなったため、店内はあまりに

も暗かったらしい。

そこで店長はあまりの暗さに耐えられなくなっ

て、店内放送でポニョの主題歌を永遠と流したら

しい。

 

ちょっと面白い。

あの音楽は戦場で流したら銃弾すらマシュマロに

変わってしまうような魔法がかかってるなあと

前々から思っていたので、それをリアルで実行し

た人がいた事実に一瞬表情筋が言うことを聞かな

くなって危なかった。

だいぶ面白い。

店長はそれに留まらず、当時の店員のメンタルケ

アを図らった個人面談も任されたそうだ。

店員一人一人の精神病院の入院歴などが記された

書類を渡されて、それを参考に面談しろも言われ

たらしく、当然当時の店長は大いに困惑。

僕もそんな場合なにをしていいか分からない。

店長は彼らの口から何を聞いたんだろう。

すごく気になった僕に、店長はこう言う。

PTSDとか精神的なダメージはどうしようもな

いだろと思っていたんだけれど、どうやらそうじ

ゃないらしい。彼らは皆口を揃えて、自分があの

とき逃げてしまったことへの後悔とか罪悪感に苛

まれていたんだね。」

なるほど、と思った。

店長が珍しく僕の講釈に深く頷いた理由がそこで

分かった。

確かに死をギリギリで免れた人間は生き方が大き

く変わる。これは劇薬すぎる。

そういう人達の呼吸と表情を店長は見た訳だ。

店長はあまり意図的に他者を傷つけない。

純粋な一言がアレなときはあるけれど、東京に五

万といる姑息な人間の香りはしない人だ。

他車を傷つけるビッグ○ーターとは大違いだ。

その原因が今日やっと分かった。

相手の痛みを理解出来る人間にこの世が溢れれ

ば、思想とか政治とかは必要ない。

それだけで世界は平和になる。

と思う。