1話60分でやってくれるから、話題のアニメに比
べて間がちゃんと生きてるし濃い体験ができる。
しくて惚れ惚れする。
ノース2号とダンカンの出会いと別れ。
神秘的な感情の邂逅があったようにも見えるけど
実は感情の共有なんて一度も起こらなかったと思
う。あくまでロボットの感情はデータなので人間
が知っている本物の感情には出会えない。
あくまでピアノの旋律は人間を人間たらしめ、
ロボットをロボットたらしめたに過ぎない。
だけど、ロボットも"美しい"と感じたことは事実
である。その在り方が違ったとしても、人間もロ
ボットも"美しい"と感じた。
人間とロボットの決して交わることのない感情が
交わっていると錯覚させてしまうピアノの旋律。
薄暗い部屋のわずかな斜光とキャラクターの立た
せ方はどこか『戦場のピアニスト』の名シーンを
彷彿とさせるものだった。あちらもピアノを通し
て交わることの無い戦時下の支配者と非支配者の
心が美しい邂逅を果たす映画だった訳だけど。
浦沢先生の作品には必ず心に響く美しいシーンが
あって、それがストーリーに乗っかってる感じが
する。きわめて映画的。最近のアニメや漫画はど
こかシーンと筋書きが別腹な感じがするんだけ
ど、やっぱりストーリーあってのシーンだし、シ
ーンがストーリーを際立たせるからね。