2023-11-23

勤労感謝の日

親には形式ばった感謝ではなく、もっと行動でよ

ろこばせてあげたいのに、今年はトーチカでこれ

からどう生きるかの作戦立てをするだけの1年だ

った。それはそれで有意義だけど、来年の今日は

もっと輝いていたいと思ってしまうのだ。

そんな不安定な感情とは一旦決別して、

インプット。インプット。

北野武監督最新作『首』を公開日に観てきた。

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とにかくゴア描写がえげつなくて、それと男色描

写も生々しくて、今は偏頭痛がするし、久々に映

疲労を感じている。

ただそれ以上に、凄かった。圧巻だった。

ジャニー北野川発言がもはや布石だったのかと思

えるくらい北野武の感性は死んでなくて、むしろ

かつてないほどに滑稽とバイオレンスを肌で感じ

取れたんじゃないかなと。

どう考えてもビートたけし以外が招聘できないよ

うなキャスト陣。

誰もが皆エネルギーを爆発させていて、

その時点でほかの映画とは比べ物にならないほど

の重厚感を受けた。

加瀬亮演じる信長のイッちゃってる感や、

中村獅童だとエンドクレジットでようやく気づく

ほどの憑かれたような演技。

それから浅野忠信大森南朋北野武主演におけ

る側近役として解像度100%の演技。

荒川良々には笑わされた。

その中でも感銘を受けたのは小林薫徳川家康

最終的な勝者となる男の風格を完璧に伝えてくる

感じ。狸と言われるだけのシッポの掴めなさも伝

わってきて、この人の演技は本物だと思わされ

た。

滑稽さと残虐さと美しさ。

狂いの中にも人間が見え隠れする。

たけしの映画は死んでいるようで生きてる。

劇場体験できたことを誇りに思って。