親には形式ばった感謝ではなく、もっと行動でよ
ろこばせてあげたいのに、今年はトーチカでこれ
からどう生きるかの作戦立てをするだけの1年だ
った。それはそれで有意義だけど、来年の今日は
もっと輝いていたいと思ってしまうのだ。
そんな不安定な感情とは一旦決別して、
インプット。インプット。
北野武監督最新作『首』を公開日に観てきた。
とにかくゴア描写がえげつなくて、それと男色描
写も生々しくて、今は偏頭痛がするし、久々に映
画疲労を感じている。
ただそれ以上に、凄かった。圧巻だった。
ジャニー北野川発言がもはや布石だったのかと思
えるくらい北野武の感性は死んでなくて、むしろ
かつてないほどに滑稽とバイオレンスを肌で感じ
取れたんじゃないかなと。
どう考えてもビートたけし以外が招聘できないよ
うなキャスト陣。
誰もが皆エネルギーを爆発させていて、
その時点でほかの映画とは比べ物にならないほど
の重厚感を受けた。
加瀬亮演じる信長のイッちゃってる感や、
中村獅童だとエンドクレジットでようやく気づく
ほどの憑かれたような演技。
る側近役として解像度100%の演技。
荒川良々には笑わされた。
最終的な勝者となる男の風格を完璧に伝えてくる
感じ。狸と言われるだけのシッポの掴めなさも伝
わってきて、この人の演技は本物だと思わされ
た。
滑稽さと残虐さと美しさ。
狂いの中にも人間が見え隠れする。
たけしの映画は死んでいるようで生きてる。
劇場体験できたことを誇りに思って。