小さい頃にたくさんの世界の秘密を教えてくれた
お爺さんだが、大学生になってなかなか平坦な道
を歩けずにいた僕の感性を確固たるものにしてく
れた恩人でもあり、今では憧れの人物だ
一昨年女の子にモテたい時期に出会った"ハウル"
去年、文学賞を受賞して色恋沙汰なんかすっかり
忘れて自分の世界にのめり込んでいった頃に出会
った"カリオストロの城"
大学で民俗学を学んだ
広島で行われる民間伝承を直接見に行った
そこで僕は「人はなぜ信仰するのか」を知って
その感覚が映画という文化にも根付いていること
を知り、映画の見方がガラリと変わった
"トトロ"に再び出会った
"ナウシカ"で人間の弱さを知った
"魔女の宅急便"で人間の強さを知った
そして"君たちはどう生きるか"
ぼくは人生で初めてジブリを劇場体験した
宮崎駿の力強いメッセージを受け取った
僕はZ世代の中で宮崎駿作品に人生を投影して
いる数少ない人間のひとりであるけれど
実はまだ観ていないジブリが3作品もある
でも僕からすれば"あと3作品しかない"って感じ
僕にとって"ジブリを観る"という行為は人生の節
のようなは本当に自分にとって大切なものを与え
てくれる存在だから
そして今日、『紅の豚』を観た
僕はこの映画のテーマを既に知っているような気
がしていた
今までの宮崎駿の映画に"かっこいい"の在り方を
見出して、実際にそれに従順に生きてきから
そういう意味では今までたくさんのことを"教わっ
てきた"ジブリで初めて"確かめる"映画になるのか
もしれないなあと、宮崎駿だけは僕を絶対に裏切
らないと、さも狂信者のようになっていた
実際その予想を裏切られたのである
自分のまだ知らないことがこの映画の中にはたく
さんあって、教えてくれることがたくさんあった
宮崎駿は期待通り大切なものを描いていた
そして、もう全て履修済みだと思っていた期待の
向こう側にあるものを教えてくれた
