銀幕の妖精

脚本のお勉強をするうえで

基本どころを抑えなければならぬと思い

家で『ローマの休日』を観てみる

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スクリーンちゃんの台頭だ

ティファニーで朝食を』ぶりにオードリー・ヘ

ップバーンをお目にかけたのだけれど

さすがに世界中の人々に"女優"のシンボルとして

認識されているお方、あまりにも美しい

まるでモノクロの画面をカラーにしてしまうかの

ようなオーラを放っていて、先述のカラー映画よ

りも遥かに美しく思えた

まさに銀幕の妖精である

いい映画っつーのは絶対に退屈しない

どこを切り取っても名場面

転がるヒール

スペイン広場のジェラート

真実の口

一つ一つのシーンがキラキラしてやまない

黒澤明先生の『七人の侍』も

宮崎駿先生の『となりのトトロ』もそうだが

やっぱ映画は娯楽

"どうやって楽しませてくれるか"のポイントは

芸術点よりもずっと大事な気がするの

絶世の美女が庶民の振る舞いをしてみたり

美しい髪の毛をバッサリ切ってさらに美しくなっ

たり、タバコを吸ったり、びしょ濡れになったり

「そんなわけない」の欲張りセット

そんな絵面がつまらないはずがないのである

さながらオードリーヘップバーンという妖精にし

かなし得ない魔法のかかった映画

なにより一通り詰め込んだその責任と言わんばか

りのラストシーン

なんちゅう素晴らしい締めくくりなんだろう

オードリーがだんだん王女の表情に戻っていく

そのときの

映画の魔法がじわりじわりと消えていく感覚

"身分"という

宇宙人の皆さんからしたらくだらないルールで

人間からしたらあまりにも高い障壁

その障壁を前に為す術なく去っていく男の姿

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ここをじっくり映したことがこの映画最大の評価

点なのではないだろうか