ツッコミの卵

電車に乗っていたら

スマホをいじっているお母さんの横で5,6歳くら

いの兄弟が楽しそうにじゃれ合っていた

緑のジャンパーを着た方がずっと太ももを叩いて

くるのをストライプのTシャツの方が手で払って

いた

そのテンポがどんどん上がっていったあたりで

ストライプの子が「もちつきじゃねえかよ」と一言

完璧なタイミングに見事な例え

ツッコミの卵ではないか

ボケはボケで叩くテンポを変えていくのが見てい

て飽きさせない

30年後のダウンタウンに出会ってしまったのかも

しれない

 

あと3日でU-NEXTで見れなくなってしまうので

元旦から5話区切りで見ているウルトラセブン

35話まで進める

ゼミの友人とシモキタを散歩したとき

「55年前の古い特撮のキャンペーンをやっている

なんて一体どんな街なんだ」と言っていた

僕はその場では頷いたけど

心の中では"古い"じゃなくむしろ"新しい"から

未だに人々の心を掴んでいるんだと思った

55年前とは思えないストーリーと特撮

そこに見出されるセンス・オブ・ワンダー

去年「ノンマルトの使者」の野外上映に行ったとき

後ろにいた30代くらいの上司とその部下のOLは

ビールを飲みながら現代の合理的な目で見ると粗

さが目立つお芝居や設定にツッコミを入れたりし

ていたんだけど、ノンマルトの使者が結末に向か

っていくにつれてどんどん口数が少なくなってい

った

そして見終わったあとにOLが

「今の日本人って話し合えなくなっているのかも

しれませんね」ってぼそっと言ったのは印象深い

たじろいでそのパスを受け止めきれなかった上司

はこうはならないようにしようという訓戒からか

もっと脳裏に焼き付いている